さわや書店 おすすめ本
本当は、目的がなくても定期的に店内をぶらぶらし、
興味のある本もない本も均等に眺めながら歩く事を一番お勧めします。
お客様が本を通して、大切な一瞬に出会えますように。
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no.192016/7/20UP
フェザン店・松本おすすめ!
キリンビール
高知支店の奇跡 田村潤/講談社+α新書アサヒスーパードライが世を席巻した1990年代半ば。社内で苦戦エリアと位置づけられる高知支店に赴任を命ぜられた著者が、厳しい戦いを経て2年後にトップシェアを奪い返せたのは何故か?それは、どの業界にも応用が効く「営業の真髄」を得たからという内容の1冊。突破口となったキーワードは「現場」。そのエッセンスを、ダメ支店からの逆転劇を疑似体験しながら学んでください。この紹介を目にしたあなた、これはチャンスです。
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no.182016/7/12UP
フェザン店・佐々木おすすめ!
赤い刻印 長岡弘樹/双葉社
「傍聞き」(双葉文庫)で心を捕まれ、「教場」(小学館文庫)で虜になった長岡弘樹さんの待望の短編。「傍聞き」の母娘の再登場が嬉しい。毒があって、温かみもある、人間の裏に潜んだ感情をどうしてこんなに言葉にできるのか。短い物語に秘められた怖さと、悲しみと優しさを堪能して下さい。
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no.172016/7/12UP
フェザン店・田口おすすめ!
身近にある毒植物たち 森昭彦/SBクリエイティブ
2009年、『身近な雑草のふしぎ』という図鑑に出会い心を奪われた。シュールな語り口で紹介される山林や原野、そして道端に、ひっそりと、しかしたくましく、ときには美しくしなやかに生きる雑草たち。まるで物語を読むように雑草の知識が身につき、自然の愉しみを教えてくれた一冊だった。そんな著者の最新作が本書だ。著者のシュールな語り口は、この人間と毒で武装した麗しき植物たちの戦いと共生の物語のためにあると思えるほどマッチしている。知らなかったでは済まされない雑草や野菜や草花の恐るべき仕組みを、愉しみながら身につけてください。
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no.162016/7/12UP
フェザン店・田口おすすめ!
イナカ川柳 TVBros.編集部編/文藝春秋
変わった部分と変わらぬ部分が両極端に混在する今の田舎のカオスな面白さが詰まっています。一句一句の川柳から、愛すべき日本の田舎の素顔が見えてくる。都会への憧れや、くどいけど憎めない人間関係、そして金太郎飴的な街道沿いのチェーン店に感じる違和感まで。現代日本のイナカを笑い変えた一冊です。そうそう!ああ~、わかる~!と、笑い転げてください。地方を創生するために、まずはイナカを知ろう!
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no.152016/7/12UP
フェザン店・松本おすすめ!
恥をかかないスピーチ力 齋藤孝/ちくま新書
スピーチ初心者は、およそ一分を目安にして話しを終えるといいそうです。
著者は教鞭を執る大学で20年以上、学生のスピーチ力の向上に携わっています。最初の取り組みとして大事にしているのは、「一五秒で何か言う」のを徹底させること。
というのも、「一五秒×四セット=一分」という感覚を身につけることによって、スピーチにおける起承転結の割合、配分ができるようになり、毎回の授業で繰り返すことで最初は戸惑い、たどたどしかった学生が、この方法により驚くほど上達するということを発見したから。
自己紹介、就職活動や転職の面接、プレゼンテーションにお祝い事やお葬式と、人生において人前で話す機会は、ほぼ必ず巡ってきます。瞬時に人をひきつけるスピーチ力は、訓練によって鍛えることができるのです。テレビでも活躍する著者が、その方法を余すところなく伝えた本書。760円+税で一生のスピーチ力を手に入れて下さい。 -
no.142016/7/7UP
本店・総務部Aおすすめ!
全思考 北野武/幻冬舎文庫
著者の映画はなぜか見入ってしまう。派手なシーンもいいけれど、個人的には地味で淡々としたシーンの方が、著者らしさがより鮮明に出ていると思う。それは役者として出演していてもいなくても、はっきりと監督の存在を感じさせる。細かな何気ない場面の中で、人を見る目のリアルさと奥深さを感じるのである。本書を読んで、ああなるほどやっぱりなと思った。
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no.132016/7/7UP
フェザン店・長江おすすめ!
ポイズン・ママ
母・小川真由美との
40年戦争 小川雅代/文藝春秋小川真由美と細川俊之。共に名優だった二人の娘である著者が、母親との衝撃的な関係を描き出すノンフィクションだ。
『親や周りからの極度の無理解、DV、怪しい宗教、無気力、自殺未遂、パニック障害、鬱に苦しんだ私の経験が、いま同じように親子関係で苦しんでいる若い子たちの、何かしらの参考になって役に立つ事が出来れば嬉しいと願っています』母親に支配され続けた41年間の人生は、どこを切り取っても「壮絶」という言葉では足りない。どこかの段階で死んでいてもおかしくなかったはずだ。よく生き延びたものだ。
彼女の経験は、あまりにも特殊過ぎる。それでも、今まさに親との関係に苦しんでいる人たちの救いになるのではないかと思う。 -
no.122016/7/7UP
フェザン店・長江おすすめ!
ドキュメント
宇宙飛行士選抜試験 大鐘良一+小原健右/光文社新書2008年に、10年ぶりに行われた「就活」がある。日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行った、五度目の宇宙飛行士選抜試験である。独自取材が困難なことで有名なJAXAと長い交渉の末、NASAでの取材許可まで取り付けたNHKは、書類選考の段階から密着を始める。
宇宙飛行士への道は、「最強の就活」と呼ばれる。求められる能力が多岐に渡るから、というだけではない。すべての能力で100点は求められないが、一つでも50点があってはいけない。そういう、何もかもが平均以上に出来る人間が求められているという点が「最強」なのだ。
宇宙飛行士は、平たく言えばJAXAの社員でしかない。給与も、30万円ちょっと。死と隣りあわせの職業にしてはあまりに安い。それでもあらゆる職種の人間が宇宙飛行士を目指す。実にドラマに満ちた「就活」である。 -
no.112016/7/7UP
フェザン店・長江おすすめ!
Self-Reference
ENGINE 円城塔/ハヤカワ文庫この作品の紹介をするのは、僕には難しい。難しい作品だ、という意味ではない。メチャクチャ面白い作品なのだけど、この作品の面白さを言葉で伝えることは僕には難しいのだ。
読み終えた感想は、「クラクラする」というものだ。著者が生み出す芳醇な世界観に呑み込まれ、文章を読んでいるだけなのに酔っ払っているような感覚になる。
18編の短編が収録された作品だ。それぞれの短編には繋がりはないが、どの短編も、「イベント」という、時間の束が完全にごちゃごちゃになる出来事を経験した世界の中で起こっている話だ、という共通点がある。よく分からない話も多いが、何故か惹き込まれてしまう、不思議な魅力を持った作品だ。芥川賞作家・円城塔のデビュー作であり、デビュー作とは思えない完成度を持った作品である。 -
no.102016/7/7UP
フェザン店・長江おすすめ!
助けてと言えない
孤立する三十代 NHKクローズアップ現代取材班/文藝春秋2009年。衝撃的な出来事が起こった。39歳の男性が、自らの窮状を周囲の誰にも明かさないまま、自宅で餓死したのだ。親類に宛てた手紙に、「助けて」とだけ書かれていたという。
取材に当たったNHK北九州放送局の取材班は、当初、何故その男性が周囲に助けを求めなかったのか理解できずにいた。彼には、親友と呼べる存在がいた。また、数カ月前まできちんと働いていたにもかかわらず、職場の誰も彼の状況を知らないままだったのだ。
彼らは、「何故『助けて』と言えなかったのか」を突き詰めるべく取材を進め、その中で、現代の30代が「自己責任」という言葉にがんじがらめにされていることを知るに至る。苦しい状況は、すべて自分の責任だ。だから彼らは、誰にも助けを求められない…。
クローズアップ現代での放送後、圧倒的な反響を記録したというこのテーマ。あなたにとっても、無関係な問題ではきっとない。