さわや書店 おすすめ本

本当は、目的がなくても定期的に店内をぶらぶらし、
興味のある本もない本も均等に眺めながら歩く事を一番お勧めします。
お客様が本を通して、大切な一瞬に出会えますように。

  • no.339
    2019/6/29UP

    ORIORI・佐々木おすすめ!

    ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい クリスティン・バーネット/角川文庫

    ―できることに目を向ける大切さ―
    重度の自閉症と診断された子供が9歳でノーベル賞級といわれる研究者になるまでの家族の物語。幾多の困難な状況下でも「できること」に焦点を当て子供に向かい合う母親の姿は、子育てだけではなく、学校や職場においても大切なことを教えてくれます。

  • no.338
    2019/6/29UP

    本店・佐藤おすすめ!

    海の生きもの つかまえたらどうする? 杉本幹・松橋利光・こばようこ/偕成社

    『生きもの つかまえたらどうする?』
    『海の生きもの つかまえたらどうする?』
    ―自然とふれあう夏休みに大活躍の2冊―
    自然の中で遊ぶ機会が多い夏休み。庭・公園・田んぼ・畑・川の周辺。そして海。たくさんの小さな生き物に出会えます。つかまえたい!つれて帰りたい!でも飼い方は?飼えなくなったらどうする?…など、この本を読むと、そんなポイントがひと目でわかりますよ!

  • no.337
    2019/6/29UP

    松園店・山崎おすすめ!

    「秋田のターシャ」と呼ばれて 佐々木利子/主婦と生活社

    ―秋田で活躍するスローライフに注目―
    標高2236メートルの名峰鳥海山が目の前にそびえ立つ風光明媚な土地秋田県にかほ市。山のふもとの小さな部落にガーデンカフェを経営されている佐々木さん。美しいイングリッシュガーデンの1年間の風景とこの土地で育てた恵みで作られた料理などを紹介。

  • no.336
    2019/6/29UP

    本店・大池おすすめ!

    一人盆踊り 友川カズキ/筑摩書房

    ―友川カズキを読め―
    フォーク歌手、友川さんの新旧のエッセイをまとめたものです。友川さんといえば酒。作家の中上健次さんと飲んだ話が面白い。憧れの作家と緊張しながら、徹底して呑みましょうと朝からビールを飲み始め、最後は新宿ゴールデン街で次の日の朝まで飲んでいたそうです。やっぱりと思い、笑いながら読みました。

  • no.335
    2019/6/24UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    138億年宇宙の旅 クリストフ・ガルファール/ハヤカワ文庫NF

    あれはどこの山だったろう。北アルプス山中の高所で寒い夜だったと思う。ふとテントの外に出てみると、空一面が星だった。普通は見えない星と星の間までもがすべて星で、取り囲まれたような視界。ただ言葉を失い魅入っていると、思わず「オェッ」としたのを覚えている。今思うとあの反応は、一見して自分の理解の範囲を超えていると直感したからかもしれない。とにかく吐き気がするほど美しかった。
    本書は物理学としての宇宙のイメージをわかりやすく伝える本なので、読んでいる間中ずっと意識を宇宙へ持って行かれる。とはいえディープな論理物理学の内容も含まれるのでうまくイメージできない部分もあるが、それも含め頭がクラクラして宇宙酔いした気分になる。自分の理解を超えたイメージに、やはり「オェッ」とするのである。
    関係ないが、1988年に劇場公開されたアニメ『AKIRA』を思い出した。

  • no.334
    2019/6/17UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    八甲田山死の彷徨 新田次郎/新潮文庫

    現在、中劇の「午前十時の映画祭」で上映しているのは『日本のいちばん長い日』、そして次回作6月28日から始まるのが本書原作の『八甲田山』。この2本は、やはり一度は観ておかなければならない映画だろう。日本人と戦争というものを如実に表している。
    後から冷静に判断して、評論や批判だけすることは簡単である。しかしそういった分析と、実際に決断し実行する能力とは、完全に別物だろうと思う。一見すると単純なストーリーに見えるかもしれないが、この重厚な人間ドラマをぜひ原作と共に読み取ってほしい。青森県、岩手県では特に必読の一冊と言える。

  • no.333
    2019/6/10UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    許されようとは思いません 芦沢央/新潮文庫

    5つの短編の登場人物たちはみんな、法律上だけではなく人間の本能として、罪を十分に自覚している。だからこそこれほどまでに読んでいるのも辛く、畏ろしく、苦しく、時に妖しげな美しさをも纏う。そして表題作には一種の凛々しささえ感じさせる。それらのすべてを物語る本書のタイトルもまた、見事だ。

  • no.332
    2019/6/6UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    虎の道龍の門 今野敏/中公文庫

    上・下巻のボリュームだがすぐにその小説世界に入り込めて、あっという間に読み終えてしまった。このリアルさは著者自身の身体感覚的な思考と経験によるものなのだろう。圧倒的な説得力と緊迫感を持ってラストの頂上決戦まで展開していく。武道に関する技術的な面もさることながら、その思想的な高みに行き着くまでの道程がリアルだ。あらゆる格闘技小説の中でも異彩を放つ孤高の一冊である。

  • no.331
    2019/5/31UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    神奈備 馳星周/集英社文庫

    山岳信仰について考えさせられる。山の過酷さと美しさ、物理的な法則と奇跡の一瞬。単なる自然現象と視るか信仰の対象と視るのか。山では誰もが自分自身と対峙させられる。答えは自分の中にしかない。それらをどう捉え何を信じるか。
    山はただ、そこにあるだけである。

  • no.330
    2019/5/23UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか 矢部宏治/講談社+α文庫

    文庫化していたので改めて読んでみた。本書を読むと、現在抱えているあらゆる諸問題の根底には、戦争に負けたという事実がいまだに重くのしかかっているのがよくわかる。
    敗戦から経済大国へと歩んだ道のりは、綱渡りのようなギリギリの交渉の末にたどり着いた奇跡であり、当時を想えばそれは最善の道を経て今があるということに変わりはない。ただし、それを成し遂げるために多くの犠牲を払い、かなり特殊な条約やその他の条件を受け入れてきたのもまた事実だろう。
    誰がいいとか悪いとかイデオロギーとかには一切関わらずに、政治家・官僚・研究者・民間人など日本の頭脳を全て結集させて、歴史とその経緯を丹念にひも解き、ボタンをかけ直していく地道な作業が必要だと感じる。正直、難しいことはよく分からないが、特殊な経緯を辿ってきた日本だからこそ、平和への思索を、祈りを、その険しい道筋を、今の世界に示し続けるのは、重要な意味がある事のように思う。