さわや書店 おすすめ本

本当は、目的がなくても定期的に店内をぶらぶらし、
興味のある本もない本も均等に眺めながら歩く事を一番お勧めします。
お客様が本を通して、大切な一瞬に出会えますように。

  • no.06
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    進化しすぎた脳 池谷裕二/朝日出版社

    池谷裕二は、難しそうな内容を易しく面白く伝えることが出来る科学者である。本書も、元になっているのは、中高生に向けて行った講演だ。文章は話し言葉で書かれているし、錯視や恋愛など、身近な話題を入り口に話を展開するので、とても読みやすい。
    科学において、宇宙と深海と脳が最後のフロンティアだと言われる。それぐらい、脳というのは奥が深く、複雑で、捉えにくい存在だ。それでも、様々な研究によって、脳に関する断片的な様々な知識が蓄積されてきた。普段「脳」というものを殊更に意識することはないだろうが、最先端の研究結果を読めば、あなたもきっと脳に関心を持つようになることだろう。

  • no.05
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    僕たちは島で、
    未来を見ることにした 阿部裕志+信岡良亮(株式会社 巡の環)/木楽舎

    島根県の隠岐諸島に、海士町という、全国的に注目を集めている島がある。この島には、起業をするために全国から多くの若者が集まっているのだ。人口流出と財政破綻の危機を島全体で解決すべく、全国でも類を見ないチャレンジを続けている。
    そんな島で「持続可能な社会」を作る一員となるために、そしてそんな社会でお金を稼ぎ生活し続ける実践者となるために、都会での生活を捨て海士町にやってきた二人。彼らが起業した「巡りの環」の代表取締役である阿部裕志はなんと、トヨタを辞めて海士町にやってきた。人口減少、少子高齢化、財政難…海士町で起きている問題はどれも、今後日本全体で間違いなく顕在化する問題だ。その最先端の課題にいち早く取り組む彼らの生き方は、今後の日本の行く末をも左右するに違いない。

  • no.04
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    努力する人間に
    なってはいけない
    学校と仕事と
    社会の新人論 芦田宏直/ロゼッタストーン

    実にインパクトのあるタイトルだ。しかし誤解してはいけない。本書は、怠けることを勧める本では決してない。むしろその逆である。このタイトルは、著者が専門学校の校長として、入学式や卒業式で語った話に由来する。仕事をすること、お金をいただくこと、社会の中で何らかの役に立つこと、価値のある人間として存在すること。そのためにどうするべきなのかを著者は、これから学校で学ぼうとする者、そしてこれから社会に飛び出していこうとする者に伝えようとする。
    仕事に関わる話だけではなく、著者の様々な思索が盛り込まれた作品だが、特に新しい世界へと飛び込んでいく人に是非読んでもらいたい一冊だ。

  • no.03
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    宇宙はなぜ
    このような宇宙なのか
    人間原理と宇宙論 青木薫/講談社現代新書

    宇宙論の世界に、「人間原理」という考え方がある。宇宙を理解するためにはそもそも、人間の存在を考慮に入れなければならない。もっと言えば、宇宙は、人間が誕生するように調整されて生まれた、という考え方だ。本書は、「人間原理」という、物理学の中でもかなり特殊な考え方を中心に、宇宙というものがこれまでどのように捉えられてきたのか、その歴史を紐解く作品だ。
    「宇宙はなぜこのような宇宙なのか?」という問いは、アインシュタインを始め多くの物理学者が抱いてきた疑問だ。宇宙と人間との関係性は、時代と共に変化してきた。その変化を、科学ノンフィクションの訳者として著名な著者が描き出す、知的好奇心に満ち溢れた一冊だ。

  • no.02
    2016/7/7UP

    フェザン店 田口おすすめ!

    謎のアジア納豆
    そして帰ってきた
    〈日本納豆〉 高野秀行/新潮社

    日本人の朝食は?と問いかけると、納豆を思い浮かべる方が多いかもしれない。納豆を日本独自の食品だと認識している方も多いだろう。
    さにあらず!
    日本を飛び出した著者が納豆文化を追い求め向かったのは、ミャンマー、ネパール、インド、中国、ブータン、ラオスという納豆先進地・アジア大陸だった。納豆とは何か、どこでどのようにして誕生し広まったのかを探る先に、その地の民族が育んできた歴史と文化を垣間見ることが出来る。もはや、探訪ルポの域を越えた文明論でもあるのだ。小さな大豆にこんなにも壮大な物語があったなんて。本書を読み、納豆の奥深さに驚き、笑い、悶絶してください。
    納豆の起源を探した著者が、アジア各国での納豆のルーツを探す旅から帰国し、向かったのは東北の地でした。秋田県県南の納豆汁、そしてわれらが岩手県西和賀町沢内に伝わる雪納豆だったのです!顛末は、ぜひ本書を読んでお楽しみ下さいませ。

  • no.01
    2016/7/7UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    うらおもて人生録 色川武大著/新潮文庫

    阿佐田哲也名義での「麻雀放浪記」が有名な著者。本書は若者へ向けて語られる人生の指南書というような形式ではあるものの、実際には大人こそが読んで大いに唸らされる内容です。どこからか借りてきたようなきれいな知識ではなく、人生について明らかに自分の実体験を通じて書かれたという、ざらりとした確かな手触りがあります。考え方によって正しい正しくないはそれぞれあるにせよ、プロの勝負師が本当に伝えたい事を正直に書いた稀有な本であり、その言葉には嘘がないと感じました。様々な修羅場をくぐり抜けてきた著者の深い洞察力と生きる知恵の中に、どの世界においても通用しうるヒントがきっと見つかります。