さわや書店 おすすめ本

本当は、目的がなくても定期的に店内をぶらぶらし、
興味のある本もない本も均等に眺めながら歩く事を一番お勧めします。
お客様が本を通して、大切な一瞬に出会えますように。

  • no.21
    2016/7/20UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    全ての装備を知恵に置き換えること 石川直樹/集英社文庫

    写真家・登山家・探検家・冒険家。いろいろな肩書きが考えられますが、「旅人」が本書には最もふさわしいかもしれません。自然を相手に様々な事に挑戦し続ける著者、28歳時点発行のエッセイ集です。自分の足で現地へ行きその空気を吸った人にしか書けない、素直な瑞々しい文章が光ります。テクノロジーの発達により装備が充実し何をするにも楽になった現代、同じぐらいのボリュームで人間が本来持っている能力や知恵も同時に失われつつあるのかもしれない。そんな事を考えさせられますが、そんな事よりも何よりもまず、強烈に旅に出たくなる本です。インターネットなど見ている場合ではありません。

  • no.20
    2016/7/20UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    素晴らしい一日 平安寿子/文春文庫

    よくデビュー作には「その作家の全てが入っている」と言われますが、本書の表題作がそのデビュー作で他5つの短編集になっております。タイトルはかなり明るく前向きな響きですが、ほぼ全ての話において素晴らしくない状況から入って、しかも事態はほとんど好転しません。それなのに読後感は素晴らしい。ダメな人物もたくさん出てきますがそれも含め、読後にはほほえましく感じるから不思議です。そういう意味では大好きな「インザプール」「空中ブランコ」等(奥田英朗著)の伊良部先生シリーズと共通する部分があるように思います。何ひとつ治療したわけでも解決したわけでもないのに心が軽くなるという点において。(平成28年7月現在は品切れ中です)

  • no.19
    2016/7/20UP

    フェザン店・松本おすすめ!

    キリンビール
    高知支店の奇跡 田村潤/講談社+α新書

    アサヒスーパードライが世を席巻した1990年代半ば。社内で苦戦エリアと位置づけられる高知支店に赴任を命ぜられた著者が、厳しい戦いを経て2年後にトップシェアを奪い返せたのは何故か?それは、どの業界にも応用が効く「営業の真髄」を得たからという内容の1冊。突破口となったキーワードは「現場」。そのエッセンスを、ダメ支店からの逆転劇を疑似体験しながら学んでください。この紹介を目にしたあなた、これはチャンスです。

  • no.18
    2016/7/12UP

    フェザン店・佐々木おすすめ!

    赤い刻印 長岡弘樹/双葉社

    「傍聞き」(双葉文庫)で心を捕まれ、「教場」(小学館文庫)で虜になった長岡弘樹さんの待望の短編。「傍聞き」の母娘の再登場が嬉しい。毒があって、温かみもある、人間の裏に潜んだ感情をどうしてこんなに言葉にできるのか。短い物語に秘められた怖さと、悲しみと優しさを堪能して下さい。

  • no.17
    2016/7/12UP

    フェザン店・田口おすすめ!

    身近にある毒植物たち 森昭彦/SBクリエイティブ

    2009年、『身近な雑草のふしぎ』という図鑑に出会い心を奪われた。シュールな語り口で紹介される山林や原野、そして道端に、ひっそりと、しかしたくましく、ときには美しくしなやかに生きる雑草たち。まるで物語を読むように雑草の知識が身につき、自然の愉しみを教えてくれた一冊だった。そんな著者の最新作が本書だ。著者のシュールな語り口は、この人間と毒で武装した麗しき植物たちの戦いと共生の物語のためにあると思えるほどマッチしている。知らなかったでは済まされない雑草や野菜や草花の恐るべき仕組みを、愉しみながら身につけてください。

  • no.16
    2016/7/12UP

    フェザン店・田口おすすめ!

    イナカ川柳 TVBros.編集部編/文藝春秋

    変わった部分と変わらぬ部分が両極端に混在する今の田舎のカオスな面白さが詰まっています。一句一句の川柳から、愛すべき日本の田舎の素顔が見えてくる。都会への憧れや、くどいけど憎めない人間関係、そして金太郎飴的な街道沿いのチェーン店に感じる違和感まで。現代日本のイナカを笑い変えた一冊です。そうそう!ああ~、わかる~!と、笑い転げてください。地方を創生するために、まずはイナカを知ろう!

  • no.15
    2016/7/12UP

    フェザン店・松本おすすめ!

    恥をかかないスピーチ力 齋藤孝/ちくま新書

    スピーチ初心者は、およそ一分を目安にして話しを終えるといいそうです。
    著者は教鞭を執る大学で20年以上、学生のスピーチ力の向上に携わっています。最初の取り組みとして大事にしているのは、「一五秒で何か言う」のを徹底させること。
    というのも、「一五秒×四セット=一分」という感覚を身につけることによって、スピーチにおける起承転結の割合、配分ができるようになり、毎回の授業で繰り返すことで最初は戸惑い、たどたどしかった学生が、この方法により驚くほど上達するということを発見したから。
    自己紹介、就職活動や転職の面接、プレゼンテーションにお祝い事やお葬式と、人生において人前で話す機会は、ほぼ必ず巡ってきます。瞬時に人をひきつけるスピーチ力は、訓練によって鍛えることができるのです。テレビでも活躍する著者が、その方法を余すところなく伝えた本書。760円+税で一生のスピーチ力を手に入れて下さい。

  • no.14
    2016/7/7UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    全思考 北野武/幻冬舎文庫

    著者の映画はなぜか見入ってしまう。派手なシーンもいいけれど、個人的には地味で淡々としたシーンの方が、著者らしさがより鮮明に出ていると思う。それは役者として出演していてもいなくても、はっきりと監督の存在を感じさせる。細かな何気ない場面の中で、人を見る目のリアルさと奥深さを感じるのである。本書を読んで、ああなるほどやっぱりなと思った。

  • no.13
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    ポイズン・ママ
    母・小川真由美との
    40年戦争 小川雅代/文藝春秋

    小川真由美と細川俊之。共に名優だった二人の娘である著者が、母親との衝撃的な関係を描き出すノンフィクションだ。
    『親や周りからの極度の無理解、DV、怪しい宗教、無気力、自殺未遂、パニック障害、鬱に苦しんだ私の経験が、いま同じように親子関係で苦しんでいる若い子たちの、何かしらの参考になって役に立つ事が出来れば嬉しいと願っています』

    母親に支配され続けた41年間の人生は、どこを切り取っても「壮絶」という言葉では足りない。どこかの段階で死んでいてもおかしくなかったはずだ。よく生き延びたものだ。
    彼女の経験は、あまりにも特殊過ぎる。それでも、今まさに親との関係に苦しんでいる人たちの救いになるのではないかと思う。

  • no.12
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    ドキュメント
    宇宙飛行士選抜試験 大鐘良一+小原健右/光文社新書

    2008年に、10年ぶりに行われた「就活」がある。日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行った、五度目の宇宙飛行士選抜試験である。独自取材が困難なことで有名なJAXAと長い交渉の末、NASAでの取材許可まで取り付けたNHKは、書類選考の段階から密着を始める。
    宇宙飛行士への道は、「最強の就活」と呼ばれる。求められる能力が多岐に渡るから、というだけではない。すべての能力で100点は求められないが、一つでも50点があってはいけない。そういう、何もかもが平均以上に出来る人間が求められているという点が「最強」なのだ。
    宇宙飛行士は、平たく言えばJAXAの社員でしかない。給与も、30万円ちょっと。死と隣りあわせの職業にしてはあまりに安い。それでもあらゆる職種の人間が宇宙飛行士を目指す。実にドラマに満ちた「就活」である。