さわや書店 おすすめ本

  • no.459
    2021/5/17UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    鍬ヶ崎心中 平谷美樹/小学館時代小説文庫

    今年は宮古盛岡横断道路が全線開通し、時間的にも心理的にも宮古と盛岡の距離は近くなったように感じられる。本書はそんな宮古を舞台にした幕末から明治にかけての「宮古湾海戦」を、時代に翻弄される1組の男女の目線で描いた、岩手出身の著者による傑作時代小説だ。
    物語は官軍と旧幕府軍の戦いと、主人公2人の情愛を軸に進んでいく。だた、個人的にはその周囲の人々、特に宮古の漁師や女郎屋など市井の人々の義理人情が、最も深く心に沁みた。盛岡、宮古市民としてはぜひとも読んでおきたい一冊である。
    宮古といえば「かんの書店」。昨年さわや書店はかんの書店を子会社化して経営を引き継がせていただいた。長く宮古で培われてきたその名に恥じぬよう、これからも宮古の文化を担う一助として、地域に愛され続ける書店をスタッフ一同と共に目指したい。
    かんの書店×さわや書店。今まで同様これからも変わらぬご愛顧の程、何卒よろしくお願い申し上げます。