さわや書店 おすすめ本

  • no.210
    2018/2/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    非属の才能 山田玲司/光文社新書

    著者は、著名人へのインタビューを漫画にしている漫画家で、そんな著者が、これまで山ほど才能を持った人間と話をしてきて分かったことが、『才能というのは、どこにも属せないという感覚の中にこそある』ということでした。著者はそれを、『非属の才能』と呼びます。
    学校にひとりも友人がいなかったという爆笑問題の太田光や大槻ケンジ、高校三年間で5分しかしゃべらなかったというほっしゃん、15歳にして女性と付き合う可能性を100%諦め研究に没頭した荒俣宏、小学校のクリスマス会を「自主参加でいいですよね」と言って堂々とサボった井上雄彦、などなど、とにかく『あたりまえの環境』『誰もが理解している常識』に染まることが出来なかった人間こそが才能を発揮するのだ、と言います。
    本書は、『非属』をキーワードにしながら、親が子の才能を伸ばすにはどうしたらいいか、引きこもりにはどう対処すればいいのか、というアドバイスや、メディアや多数派の意見に流されるような生き方はするな、学校には行かなくたっていい、というメッセージを伝える作品です。
    僕が生きていく中で、読んで「救われた」と感じた、数少ない本です。