さわや書店 おすすめ本
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no.2822018/10/16UP
本店・総務部Aおすすめ!
闇市 マイク・モラスキー編/新潮文庫
私には経験がないので想像するしかないが、戦中から戦後の価値観が大きく変わる混乱の中、違法ながら生きるために売り、生きるために買う人の群像劇。その闇市に関する当時の短編小説を通じて闇市とは何だったのかを考察する。太宰治、耕治人、鄭承博、平林たい子、永井荷風、坂口安吾、野坂昭如、織田作之助、梅崎春生、石川淳、中里恒子の短編小説11作が収録されている。
全く関係ないかもしれないが、ボロくて小さな飲み屋での妙に旨いものとか“どぶろく”などを出された時の、ちょっとヤバいかもという何とも言えない魅力。あるいは祭りの露店で鉄砲や怪しげな型抜き、生き物の販売などのヤバいドキドキ感やお好み焼きなどの味わいには、闇市に近い感覚があるのかもしれない。これがファミレス風の安心安全な場所ならその魅力や旨さは半減以下である。この感覚は外国人にもあるのだろうか。
さらに関係ないが、山に登る時、もしかしたら死ぬかもしれないという危険が全くない安心安全な観光地ならば、登山の魅力は半減以下だろう。