さわや書店 おすすめ本

  • no.615
    2025/3/6UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    逃亡者は北へ向かう 柚月裕子/新潮社

    震災から14年、著者がこの物語を書き終えるためにどうしても必要な時間だったのだろう。命というものと真摯に向き合い、葛藤と逡巡の末紡がれた小説だと感じる。逃亡者を中心とした生と死の群像劇と、残された人間の生きる姿を描き、その意味を浮き彫りにする。
    いきなり結末のプロローグから始まり、切ないラストまで名作映画を観ているようだった。震災の風化が懸念されているこのタイミングでの出版なので、ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思う。