さわや書店 おすすめ本

  • no.225
    2018/4/3UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    退歩のススメ 藤田一照・光岡英稔/晶文社

    禅僧と武術家の対談。相反するように見える二者に共通する身体感覚から、その思想や哲学、死生観などをも語られている。現代のどのような場面においても、多くの示唆に富んだ一冊だと思う。
    体感として経験がない分、きちんと理解できたとは言い難いが、武術家はさすがに考え方がリアルである。最後の方に死生観の話の中で、伊藤計劃著『虐殺器官』をさらっと紹介していて、なぜかちょっとドキっとした。個人的には本書を読んだ後『楢山節考』を思い出し、また考えさせられている。