さわや書店 おすすめ本

  • no.644
    2026/3/11UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    落としの左平次 松下隆一/ハルキ文庫

    新米同心の清四郎と元凄腕同心の佐平次。年の離れた師弟関係を組んでいる。清四郎に物事を教えつつ事件を解決させてゆくが、この「落としの佐平次」がなかなかの曲者で、口が悪くどこか影があり一筋縄ではいかないところがある。清四郎は佐平次に大いに教えられ助けられながら成長するのだが、教える方と教わる方とはいったいどちらが学び助けられているのだろう。そして佐平次の凄さと危うさの奥にいったい何があるのか、後々に期待させる内容で、時代小説をあまり読まない人でもぐいぐい読ませるシリーズだ。
    全く関係ないが、映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』を思い出した。口の悪い盲目の元陸軍中佐と心優しい学生によるロードムービー。一方的に人生を教える元陸軍中佐だったが、後半はその若い学生に命を救われたようなものだろう。ラスト、アル・パチーノの演説にはなんとも言えない魅力があり、いつ観ても素晴らしい。ジョン・ダニエルで乾杯したい。