さわや書店 おすすめ本
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no.6102025/1/13UP
本店・総務部Aおすすめ!
老人と海/殺し屋 アーネスト・ヘミングウェイ/文春文庫
映画『イコライザー』でデンゼル・ワシントンが読んでいた本が「老人と海」。古典の名作ハードボイルドと言っていいだろう。説明的な文章はない。こういうのは読み手側の解釈によって感動を呼んだり名作となったりするのだと思う。あらゆる名作文学や絵画などは、読んで、あるいは見て各々感慨に浸る時、その感想によって初めて作品が完結するようにできている。若い時に「だから何?」と思った人でも、できるだけ手元に持っておいた方がいい。読む年代によって解釈が変わり、いつかしみじみと唸らされ完結する時が来る。それにしても、この表紙のデザインがいいなあ。
「殺し屋」の方は「ニック・アダムス・ストーリーズ傑作選」として10話収録されている中の1編。やはり名作短編の余韻が残り、物語の背景や人物に想いを馳せる。こちらの解釈しだいという意味では、毎度しつこいようだが映画『ノーカントリ―』(原作コーマック・マッカーシー「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」)もサスペンスの仮面を被った文学作品だ。こういったものの源流をたどるとその1つには、やはりヘミングウェイがあるのかもしれない。