さわや書店 おすすめ本
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no.6172025/3/31UP
本店・総務部Aおすすめ!
羅生門/蜘蛛の糸/杜子春
外十八篇 芥川龍之介/文春文庫著者の代表作はこの一冊でほぼ網羅できる。表題作の3作は教科書などでおなじみの話だが、改めてじっくり読んでみると若い頃に抱く印象とだいぶ異なっていることに気づく。人間の業の深さ、人物の陰影を強く感じさせる著者の物語はどれも、大人になってから読むべき本と言えるだろう。個人的な好みで言えば「或日の大石内蔵助」「秋」「藪の中」「トロッコ」がいいと思った。
どこか狂気を孕んだグロテスクな作品が多く、中でも最後の3作「点鬼簿」「河童」「歯車」はかなりヤバいところまでいっているという感じがある。人間の本質を同じ人間がどこまでも深く追求しようとすると、最終的にはどこか狂ってしまうものなのかもしれない。人間であることを認め生きていくにはやはり、越えてはならない一線があるのだろう。さながら「杜子春」のように。