さわや書店 おすすめ本

  • no.284
    2018/10/23UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    神童 高嶋哲夫/幻冬舎文庫

    小学校時代の親友でありライバルであった天才二人がそれぞれの道に別れ、その道のプロフェッショナルとして再会、対決する。一人はプロ棋士として、もう一人は人工知能の研究者として。
    人vs人工知能というイメージを持つと、気持ちとしては人に勝ってもらいたいと願いたくなる。しかし本書を読むと人工知能もまた、人が研究を重ね試行錯誤を繰り返した上での成果であり、結局は人vs人になるのかと思える。
    人間はこれまでも火を制御し、水を制御し、燃料などを制御しながら生きてきた。人工知能の世界もいろいろな失敗はあるにせよ、その経験も踏まえて必ず人間にとって最適な価値を生むように進化し、制御できると信じたい。神のような存在がもし、宇宙の果てから地球を見ているとするならば、人工知能の現在も人類の進化の一過程として眺めているのかもしれない。