さわや書店 おすすめ本

  • no.591
    2024/5/13UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    碁盤斬り 柳田格之進異聞 加藤正人/文春文庫

    古典落語の「柳田格之進」を映画化した『碁盤斬り』。本書は映画の脚本を手掛けた著者が書き下ろした小説だ。読み終えてすぐに、この映画を観るのがとにかく今から楽しみでならない。
    白石和彌監督は『凶悪』『孤狼の血』など、これまで激しいバイオレンスのイメージがあるが、今回は打って変わって古典落語の人情噺。これをどう表現するのか、主演の草彅剛さんとの組み合わせも不思議な魅力を感じさせる。
    古典落語は大昔から同じ噺を現代にまで語り継いでいるのに、何度聴いても飽きが来ない。それだけ噺として完成されているのと、やはり日本人として無意識にも心のどこかに残っている部分へ、確実に刺さってくるからなのだろう。
    こんな世の中だけど、きっと心のどこかに。