さわや書店 おすすめ本

  • no.596
    2024/8/20UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    百年の孤独 ガブリエル・ガルシア・マルケス/新潮文庫

    マジックリアリズム。現実と幻想が行き来しながらも、不思議と現実よりも現実味を帯び、全体として真実を見る。文字だけによる芸術表現としてはひとつの極致なのだと思う。幾代にも亘る一族とその土地の成立から終焉までを、自然描写と共に描いている。1982年ノーベル文学賞受賞。
    映画で言えば、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『マルホランド・ドライブ』などにも近い芸術表現を感じる。
    本で言えば宮沢賢治作品は、ある種マジックリアリズムと言えるのかもしれない。最近ではそのスピリットを受け継いだかのような地元盛岡出身の作家、小砂川チト著「家庭用安心坑夫」「猿の戴冠式」にも濃厚にマジックリアリズム的なものを感じる。非常に高度な文学的芸術表現なのだと思う。