さわや書店 おすすめ本
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no.2112018/2/13UP
本店・総務部Aおすすめ!
白日の鴉 福澤徹三/光文社文庫
映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のラストシーン、アル・パチーノの下記演説を思い出した。
「――私も何度か人生の岐路に立ったことがある。どちらの道が正しい道かは判断できた。いつも判断できていた。だが、私はその道を行かなかった。それはなぜか。その道は険しく困難な道だったからだ。チャーリーも岐路に直面した。そして彼は正しい道を選んだ。真の人間を形成する信念の道だ。どうか彼を守ってやってほしい。いつかそれを誇れる日が来る。――」
本書は痴漢冤罪を仕組まれた製薬会社社員が、新人警察官と老弁護士の協力で冤罪に立ち向かう物語だ。ストーリーの中で病院と製薬会社の暗部や、警察と検察、裁判所の官僚主義的な部分などがリアルに描かれている。どのような組織にあっても、個人の生き方として人生の岐路に立つような場面がいくつかあることだろうと思う。どんなに困難な道であったとしても、正しい道を選択できるかどうか問われるような物語だった。