さわや書店 おすすめ本
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no.3612019/10/31UP
本店・総務部Aおすすめ!
生き物の死にざま 稲垣栄洋/草思社
雑草生態学が専門の著者の本は非常に文学的だ。植物の意志を表現するような本が多く、あまり興味はなくても十分に文章を読ませる。本書は著者のフィルターを通して、生き物に対するストーリーが語られている。実際に生き物がどう思っているかは誰にも分からない。ただ、短い寿命でも何世代もの小さな命をつないでいる現実を俯瞰すると、確かにそこには意志があるような、見事な死にざまのような気がしてくる。これをどう見るかは見た人間がどう思うかによるのだろう。だが、死にざまとは、言葉はなくともその生きざまを如実に表しているのではないだろうか。
結果に対して意志を持ってやっているなら素晴らしいし、無意識にやっているならもっと素晴らしい。頭脳だけ発達した人類にとって、多くの示唆を与えてくれる。