さわや書店 おすすめ本

  • no.229
    2018/4/17UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    極北へ 石川直樹/毎日新聞出版

    著者の文章は本当に気持ちがいい。声高に自然保護を訴えるでもなく、自然への敬意や畏れ、そしてその美しさを淡々と語る様子が清々しい。旅を通じて出会う現地の人々や、悠久の自然の営みを見つめるまなざしは、多くの経験から地球を俯瞰的に見る著者ならではのものだろう。ジャンルを問わず、これからも様々な作品を出し続けてほしいと思う。
    全く関係ないが先日ピカデリーで、映画『ロープ/戦場の生命線』を鑑賞。戦争を別な切り口で描いていて、地味ながら傑作だった。地味な傑作といえば『穴』『十二人の怒れる男』『キューブ』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『スモーク』など他にも過去に数多く存在する。本を買ったり映画館へ行ったりする行為は、この先もいい作品に出会うための、ひとつの投資のようなものでもあると思う。派手な話題作だけでなく、心に残るいい作品が今後も生み出されるために。