さわや書店 おすすめ本

  • no.248
    2018/6/19UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    極上の孤独 下重暁子/幻冬舎新書

    ひとりでぼーっとしている時間が結構好きである。飲食店、床屋、タクシーなどでひとりの時に、最初だけあいさつしたら後は放っておいて欲しいと願うタイプだ。自分だけが少しおかしいのだと思っていたが、本書を読んで、あまり関係ないのにちょっと救われる思いである。
    それはさておき、女性で孤独について前向きに語る人はなかなかいない。男性が語る孤独の場合はその中に情緒的な意味合いが含まれている気がするが、女性の場合はよりシビアで、現実的、客観的な考えに基づいているように思う。本書は著者自身や周りの人をよく観察した結果として、孤独が人間を形成し成熟させるという著者の確信が書かれている。
    現代はつながる事をポジティブに考え過ぎていないか。孤独は悪くて、連帯が良いとする風潮に、一石を投じる本である。ベストセラー『家族という病』の著者。