さわや書店 おすすめ本

  • no.124
    2017/2/14UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    木のいのち
    木のこころ 西岡常一・小川三夫・塩野米松/新潮文庫

    人工知能がプロ棋士に勝ってしまう時代。人の仕事の技術的な差異はどこまで生じるのか。本書は数百年を見据えた仕事をする宮大工の話である。職人達にはあえて余計な事を言わずに透き通る鉋屑だけを見せ、そうなるように何年も鉋の刃を研がせ続けるという。マニュアルで即席に教えられるものと違い、自分で考えて体で覚える技術は一生の仕事の基本となるそうだ。そうした技術の継承と共に古くから伝えられている宮大工としての考え方や自然観なども伝えられてゆく。どんどん進化する時代にありながらも、それとは別に折に触れ再読に値する本だと思う。