さわや書店 おすすめ本

  • no.203
    2018/1/9UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    成熟脳 黒川伊保子/新潮文庫

    歳を重ねる事に勇気をもらえる本。脳を単なる入力装置として見るならば28歳がピークだそうだが、どれだけ膨大なデータを入力したとしても出力性能が良くなければ意味がない。様々な経験と知識を重ね合わせてどんな結論を導き出すか。あるいは何気ない自然の中から、物事の本質を直感したり美しさに感動したりする能力は出力の質であり、入力する能力とは真逆の方向性だ。いかに不要な回路を切り捨て、大事な部分を残すかという脳の作業は56歳からが最も発揮されるように、あらかじめプログラムされているという。
    関係ないかもしれないが、例えば次のような映画を観た時の感じ方は、歳によって変わってくるのではないだろうか。『スモーク』『ストレイト・ストーリー』『マグノリア』『めぐりあう時間たち』『美しい人9lives』『アキレスと亀』『歩いても歩いても』など、理屈や派手さのない味わい深さ。その深度には、違いが表れると思う。