さわや書店 おすすめ本

  • no.493
    2022/1/31UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    平成のヒット曲 柴那典/新潮新書

     最後のキスはタバコのFlavorがした
     ニガくて切ない香り

    “この「First love」の冒頭の2行が象徴するように、当時、宇多田の歌詞は「とても15歳が書いたとは思えない」と言われてきた。しかし、文学に居場所を見つけていたその来歴を考えると、改めてその作家性に納得がいく人は多いのではないだろうか。”(本書より)

    trf、Mr.Children、安室奈美恵、サザンオールスターズ、DREAMS COME TRUE、レミオロメン、GReeeeN、いきものがかり、レディー・ガガ、米津玄師など、平成を彩ってきたミュージシャン達のヒット曲について、その時代背景とともに論じられている。
    この中ではなんとなく、『1999(平成11)年の「First Love」宇多田ヒカル』の辺りが、音楽業界のみならず、あらゆる意味で時代の大きな転換点になっているように思う。ヒット曲で振り返る、平成とはどんな時代だったのか。それにしても、音楽はその時々に感じた空気、匂いまでをも鮮明に思い出させる。