さわや書店 おすすめ本

  • no.597
    2024/9/3UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    宿帳が語る昭和100年 山崎まゆみ/潮出版社

    なんか温泉行きたいなと思う。
    ベストセラー「スマホ脳」(新潮新書)を読むと自分でも気が付かないうちに、いかに時間と感情を振り回されているのかがよくわかる。自分が使っているように見えて、実はいいように使われているのである。これじゃ神経もやられるわなと納得する。
    温泉地はデジタルデトックスにいい場所だろう。もしかすると本書に出てくる昭和の大スター、大作家、大芸術家たちもその時代における何かをデトックスしに、あるいは自分を取り戻すための大切な場所として温泉を利用してきたのかもしれない。西城秀樹、志村けん、松田優作、石原裕次郎、山下清、田中邦衛、松本清張など、印象深いエピソードが記されている。
    人間にはリアルな自然に触れる場所と、自分に向き合う時間が必要だ。全ての武器や鎧を脱ぎ捨てて、裸の自分自身だけに戻る時間が。
    あー温泉行きたい。