さわや書店 おすすめ本

  • no.220
    2018/3/14UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    孤狼の血 柚月裕子/角川文庫

    日岡秀一は、機動隊から呉原東署へと配属された。配属先は捜査二課。暴力団係だ。日岡は大上班に配属されることになったのだが、班長の大上が、その名を県内に轟かす有名な刑事だ。凄腕のマル暴として有名で、暴力団絡みの事件を多数解決し、警視庁長官賞を始めとする各種表彰を多数受けている。しかし同時に、褒められない処分歴も多い人物だった。表沙汰に出来ない違法捜査も数多く繰り返す。正義感の強い日岡はその度に、大上への不信感を募らせていく。しかし一方で大上は、善良な市民に対しては実に親切に接していた。あくどいことを続けているが、市民を暴力団から守るためという大義名分はきっちりとしている。日岡は少しずつ、大上のやり方に違和感を覚えなくなっていく。
    呉原では、きな臭い事件が頻発していた。尾谷組と、五十子会傘下の加古村組の衝突が様々に起こり、銃撃でお互いの組の人間が幾人か殺されるという事件に発展している。この衝突を回避しようと奔走するが…。
    エンタメ作品としてすいすい読み進められる一方で、法とは何か、正義とは何か、というようなことを強く考えさせる物語だ。