さわや書店 おすすめ本
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no.6362025/12/20UP
本店・総務部Aおすすめ!
好日日記
季節のように生きる 森下典子/新潮文庫冬至。寒い時にしか出ない美しさもある。本書はお茶の稽古に週一で通う著者が、季節の移ろいとその時々に感じたことを二十四節気の順に1年間書き記したエッセイだ。お茶のこと、和菓子のこと、花のこと、道具の意匠、陽射しの角度など季節ごとに変化する様が描かれ、たまに出てくる挿絵もまた素晴らしい。お茶や季節の話だけでなく、著者の個人的なエッセイの部分もあるので読みやすく、かつ奥深い。
外に出た時に季節の空気や光の加減で、なんでもない見慣れたものでもふと予期せぬ美しさにやられる時がある。年々あっという間に1年が過ぎ去ってしまうが、季節の移ろいが胸に響く瞬間に、あと何度めぐり合えるだろう。まあ、こういうのもやはり一期一会なんだろうな。
