さわや書店 おすすめ本

  • no.329
    2019/5/17UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    夜の淵をひと廻り 真藤順丈/角川文庫

    善と悪、光と影は表裏一体だなと改めて思う。それぞれが独立して存在することはありえない。光が強ければ強いほどに漆黒の闇を創り、闇が深ければ深いほどに小さな光が燦然と輝きを増す。直木賞受賞で話題の著者によるダーク・ファンタジック・サイコ・ミステリー。
    悪党に心をかき乱されるのも、いい話に心を打たれるのと同じぐらい重要な視点だ。映画でも強烈な悪役がどこか妙に後々まで心に引っかかることがある。例えば『セブン』のジョン・ドゥ、『羊たちの沈黙』のレクター博士、『ノーカントリー』のシガー、『ダークナイト』のジョーカーのように。そういえば今年10月4日に映画『ジョーカー』が日米同時公開されるとの事。こちらも楽しみである。