さわや書店 おすすめ本
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no.922016/11/22UP
フェザン店・長江おすすめ!
圏外編集者 都築響一/朝日出版社
本書は、「POPEYE」「BRUTUS」のアルバイトから始め、今に至るまでフリーの編集者として走り続け、誰からも給料をもらわず、ただ原稿料のみで40年間編集者を続けた著者が初めて語る、自身の編集の歴史や手法の話だ。
冒頭で著者はこう言う。
『この本に具体的な「編集術」とかを期待されたら、それはハズレである。世の中にはよく「エディター講座」みたいなのがあって、そこでカネを稼いでいるひとや、カネを浪費しているひとがいるけれど、あんなのはぜんぶ無駄だ。編集に「術」なんてない』
そして編集者という仕事を、こんな風に評する。
『編集者でいることの数少ない幸せは、出身校も経歴も肩書も年齢も収入もまったく関係ない、好奇心と体力と人間性だけが結果に結びつく、めったにない仕事ということにあるのだから』
モノを生み出す人間、そしてそういう人間をサポートする人間。一般的には「編集者」と呼ばれないであろうそういう人たちにも読んで欲しい一冊だ。