さわや書店 おすすめ本
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no.302016/7/20UP
フェザン店・長江おすすめ!
化石の分子生物学
生命進化の謎を解く 更科功/講談社現代新書「化石の分子生物学」を一発でイメージする最良の例が「ジュラシックパーク」だ。蚊が閉じ込められたコハクの化石が発見され、その蚊が吸った恐竜の血から、バイオテクノロジー技術を使って現代に恐竜を蘇らせる、という物語は、まさに「化石の分子生物学」を元にしたものだ(実際に「ジュラシックパーク」が公開される前年に、コハクの中のシロアリから古代DNAが発見された)。
さて、そんな「化石の分子生物学」だが、「化石から古代DNAを採取して研究する」というだけには留まらない。他にも、現在生きている生物のDNAを研究することで分子の進化速度を判定したり、あるいは生物の進化の枝分かれの時期を推測したり、というような研究もある。それまでは、化石を「観察する」ことでしか古代生物の研究が不可能だったが、古代DNAの研究や、あるいは分子の進化速度の研究などによって、新たな可能性が拓けた。本書は、そんな「化石の分子生物学」の世界の一端を垣間見れる作品だ。