さわや書店 おすすめ本

  • no.589
    2024/4/29UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    冗談 ミラン・クンデラ/岩波文庫

    本書を読み終えてふと全く関係のない、むしろ対極にあるような映画『バッファロー’66』を思い出してしまった。自分の周りではすこぶる評判の悪いこの映画は、陰鬱でシリアスな雰囲気を漂わせながらも、思わず笑ってしまうシニカルなラブストーリーである。ヴィンセント・ギャロ監督・主演。ナルシスト臭が時おり鼻につき、それも含めてコメディー性の高い傑作映画だと思う。
    復讐などに意味はない。時を隔てたものならなおさらだ。過去に思い悩んでも、未来を憂いても、そんなものとは関係なしに時代は流れ去る。運のいい時も悪い時も結局、目の前にある、自分にとって本当に大切なものを守る以外すべき事はないのだろう。
    本書は政治体制やら時代背景など難しいテーマを内包しているのかもしれないが、個人的には上記映画のように、大真面目なコメディー性のようなものが感じられた。