さわや書店 おすすめ本

  • no.234
    2018/5/1UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    作詞少女
    詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話 仰木日向/ヤマハミュージックメディア

    僕は、音楽にさほど興味はない。乃木坂46のファンになったことで、最近ようやく乃木坂46や欅坂46の曲を聞くようになったが、人生において音楽が重要な要素を占めていた時期はない。iPodも持ってなければ、当然作詞をする予定もない。そんな人間が何故本書を読んだかと言えば、なんとなく面白そうだったから、としか説明のしようがないが、読んでみて、本書は作詞などする予定のない人でも読むべき作品だと感じた。
    何故なら本書は、「何か表現をする人」全般に役立つ話がたくさん盛り込まれている、と感じるからだ。
    「表現」というのは、絵でも映像でも文章でも芸術作品でも何でも構わない。本書は、その作品の性質上どうしても「作詞」に特化した話が多くはなるが、その合間合間に、「自分の内側から何か表現すべきものを出すこと」の本質的な部分を衝く描写が多く、「表現」に携わる人間が読んで損することはないだろう。
    本書における作詞に限った話にも触れよう。本書では繰り返し、作中人物の口を借りて「作詞はナメられている」という表現が出てくる。僕も、正直思っていた。作曲は無理だけど、作詞ぐらいなら出来るんじゃないか、と。本書を読んで、土下座したくなった。作詞ぐらいなら出来るんじゃないかと思っててすいません。