さわや書店 おすすめ本

  • no.84
    2016/11/1UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    人生はいつもちぐはぐ 鷲田清一/角川ソフィア文庫

    ぐずぐずと思い悩み迷いまくりながらも、人は今を生きるために迷いを断ち切り、最後に残る何かを選択している。その決断の本気度は、言葉だけでなく全体の雰囲気として、思い悩んだ厚みの分だけ正確に周囲に伝わり、きっと未来の誰かに繋がっていく。職人の矜持であれば、その仕事が未来の同業者に対して恥ずかしい仕事はできないというように。今の私達は恥ずかしくない仕事をしていると言えるのかどうか。悩みは尽きる事がないが、ぐずぐずと考えている事にも一定の肯定を示してくれる本書は、私のようなぐずぐず人間にはありがたい。正直、よくわかる話とよくわからない話が半々ぐらいだったが、大事なことが書かれている本だと思う。