さわや書店 おすすめ本

  • no.181
    2017/10/10UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    ヒトは「いじめ」を
    やめられない 中野信子/小学館新書

    ヒトの集団において大なり小なり必ず存在する「いじめ」を脳科学の見地から分析する。今までゼロになった例がないとすれば、ヒトはそういう生き物であるという事をまずは認め認識し、対策を考えなければならない。脳科学的には「愛情」や「正義感」「仲間意識」などを司る部分と「いじめ」が表裏になっているという。ものの善悪とは何か。学校では善の中にある悪、悪の中にある善を学ぶべきで、そこから自分自身を見つめ返す「メタ認知力」を高めるのが肝要との事。大人でも子どもでも同じ事が言えると思うので、関係者ならずともぜひご一読をお勧めしたい。
    全然関係ない話で申し訳ないが、「マルホランド・ドライブ」という映画は、いつも飲み屋でお会いするN氏の解説よると、パラレルワールドがメタ的に入り混じる描写の最高傑作で、「メタ元祖」だとの事。よくわからない映画だが、個人的には強烈に好きな映画のひとつである。
    それはともかく、著者の中野信子氏。講演会を聞きに行った事があるがとても美しく、やわらかな口調で人間の核心を衝く魅力的な方だった。目に宿る光がデーモン閣下のそれに似ていると思うのは気のせいか…。