さわや書店 おすすめ本

  • no.96
    2016/12/6UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    バー・リバーサイド 吉村喜彦/ハルキ文庫

    表紙や中の絵がとても粋だ。
    酒を巡る話が大概面白いのはどんな話であれ、やはり酒と人間の相性がいいからだと思う。いつも澄み切っていて濁りなく完璧な酒よりも、ちょっと不完全さを残した、雑味のある方が味わい深い。いい話よりも失敗談や心の傷などあった方がより陰影が生まれ、人間的に深みが出る。バー・リバーサイドを舞台に、そんな5つのショートストーリー。
    「酒は人間をダメにするものじゃないんです。人間はダメだという事を教えてくれるために酒があるんです。」とは孤高の天才落語家、立川談志さんの言葉。カッコいい呑み方はなかなかできるものじゃないけれど、いい時はいいなりに、ダメな時もダメなりに、明日も生きるために。