さわや書店 おすすめ本

  • no.12
    2016/7/7UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    ドキュメント
    宇宙飛行士選抜試験 大鐘良一+小原健右/光文社新書

    2008年に、10年ぶりに行われた「就活」がある。日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行った、五度目の宇宙飛行士選抜試験である。独自取材が困難なことで有名なJAXAと長い交渉の末、NASAでの取材許可まで取り付けたNHKは、書類選考の段階から密着を始める。
    宇宙飛行士への道は、「最強の就活」と呼ばれる。求められる能力が多岐に渡るから、というだけではない。すべての能力で100点は求められないが、一つでも50点があってはいけない。そういう、何もかもが平均以上に出来る人間が求められているという点が「最強」なのだ。
    宇宙飛行士は、平たく言えばJAXAの社員でしかない。給与も、30万円ちょっと。死と隣りあわせの職業にしてはあまりに安い。それでもあらゆる職種の人間が宇宙飛行士を目指す。実にドラマに満ちた「就活」である。