さわや書店 おすすめ本
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no.6182025/4/2UP
本店・総務部Aおすすめ!
ゴンべの森へ
アフリカ旅日記 星野道夫/ちくま文庫1996年8月8日カムチャツカ半島でヒグマに襲われ死亡した著者。本書はそのカムチャツカ撮影行に旅立つ前日、1996年7月21日に脱稿されたと書いてある。実際にアフリカのタンザニアに行ったのは前年の1995年。随筆と共にたくさんの写真が載っている。当時42歳か。知識と経験と体力も兼ね備えた一番いい時だったと思う。
本書の中で印象深かったのは「ぼくのファンタジー」という章で、子どもの頃に頭を悩ませていたのは北海道のクマの存在だったという話だ。町の中で暮らしている同じ瞬間にクマが生きていると考えると不思議でならなかったとの事。すべてのものに同じ時が流れている不思議さ。これが著者の一貫した自然や生命に対する哲学的な認識なのだろう。荒涼たる自然のアラスカから生命感溢れるアフリカへ。そしてその翌年、最後まで自然の中で、自身も生命の一循環として旅立たれたものと想像する。