さわや書店 おすすめ本

  • no.222
    2018/3/23UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    クライマーズハイ 横山秀夫/文春文庫

    圧巻の物語だ。
    メインの舞台は、1985年に起きた世界最大の飛行機事故である、御巣鷹山の日航機事故を取材する新聞社だ。
    安西という販売局の人間と山登りをするようになっていた、編集局所属の悠木。安西は何故山に登るのか、という悠木の問に対し、「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残す。そして同じ日、駅での集合直前に、日航機事故の一報が入る。
    悠木は、古参の記者にしては珍しく、いわゆる「遊軍」だ。デスクでも長でもなく、なんでもこなすフリーの記者。その悠木に、突然「日航全権デスク」、つまり日航機事故に関する紙面の全ての責任を持つデスクの任が降って掛かり、悠木はそれを受ける。
    独りで山に行ったんだろうと思っていた安西は何故か歓楽街で倒れていた。その一報を聞くや病院に向かった悠木は、目を開けたまま文字通り「眠っている」安西の姿を目にする。
    それでも悠木は新聞を作り続ける…。
    新聞を作る、というその全てがこんなにもドラマティックだったのか、と思う。その緊迫感、緊張感、いがみ、争い、想い、そうした全ての描写が圧巻だった。