さわや書店 おすすめ本
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no.3452019/8/20UP
本店・総務部Aおすすめ!
カリ・モーラ トマス・ハリス/新潮文庫
どんなものであれ、著者の新作を読まないという選択肢はない。名作『羊たちの沈黙』へのリスペクトを込めて。レクター博士シリーズは、その後の全てのサイコサスペンスを一変させたと言ってもいいだろう。レクター博士の存在を一層際立たせたのは、FBI捜査官の中で紅一点の、クラリスだった。
今回の主人公は、何者にも頼らない孤高の移民女性、カリ・モーラ。ある種のトラウマを抱えた女性の強さと美しさを描くことに、やはり卓越したものを感じる。どうしても過去の作品と比べられてしまうのは、強烈な個性を生み出したビッグネームとしての宿命かもしれない。できることならそういった外野の評価とは一切関係なく、書き続けてほしいと願うばかりだ。
ちなみにレクターシリーズ以外では『ブラック・サンデー』という作品も映画化されている。日本未公開だったこの作品も、かなりの傑作である。