さわや書店 おすすめ本

  • no.105
    2016/12/27UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    イモータル 萩耿介/中公文庫

    よくわからないが、何かあるような気がして引っ張られるように読んだ。結局最後までよくわからなかったが、読ませる力はやはり言葉の力だと思う。思想・宗教などにおいて穢れ無き根源を命がけで追求しようとする者と、穢れのある現実世界において権力や金の力を命がけで追求しようとする者とが時代を変えて数名登場し試行錯誤を繰り返す。
    「梵我一如」宇宙の根本原理と個としての自分とは対極にあるようでいて実は同一であるとする、古代インド哲学の思想だそうだ。
    本というのは、生きていくためには直接何の腹の足しにもならないが、だからこそ人が生きていくために絶対に必要な、守るべきものがあるのかもしれない。