さわや書店 おすすめ本

  • no.304
    2019/1/16UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    あなたの知らない脳 意識は傍観者である ディヴィッド・イーグルマン/ハヤカワ文庫NF

    「人間に自由意志はあるのか?」という疑問は、科学の世界で議論され続けてきたものだ。ん?と思うだろうか。自由意志は、あるに決まってるじゃないか、と。だって、コンビニで何を食べたいのかを決めるのも、誰を好きになるのかも、私の自由意志に決まってるじゃないか、と。
    でも、そうではない。本書を読めばあなたもきっと、人間には自由意志などないのかもしれない、と感じることが出来るだろう。
    本書では脳を「意識」と「意識以外のもの(無意識)」とに分けている。「意識」というのは、僕たちがまさに「自分である」と感じているような、痛いとか楽しいとか朝だなとかお腹すいたとかそういうことだ。そして様々な研究によって、脳における「意識」の領域は極端に狭く、人間の行動のほとんどを「意識以外のもの」が決定していると分かってきている。さらに「意識」は、「意識以外のもの」が何をしているのかを知ることは出来ないのだ。
    僕たちは、自由意志によって自分の行動を決めていると感じている。しかし、脳の機能的に見れば、「意識以外のもの」が様々な決定をし、その後で「自分自身でそういう決断をした」という「意識」を持つ、と表現するのが正しいのだ。
    そんなバカな!と思うだろうか。そう思うなら、是非本書を読んでほしい。