さわや書店 おすすめ本

  • no.643
    2026/2/27UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    過疎ビジネス 横山勲/集英社新書

    新書大賞2026の5位、河北新報社記者による本書を読んでみる。いつの時代でもグレーな部分を狙う人間はいる。許せないのは人の弱みに付け込んで私腹を肥やそうとする行為だ。東日本大震災の復興予算の時も、一定数そういう人間が紛れ込んでいただろう。本書では過疎地域の自治体に近づき、地方創生の美名のもとに自分たちの都合のいいようにビジネスを展開される様子が書かれている。ただし、国の制度設計、地方自治体の体質、地域住民の意識、人口減少の現実などを俯瞰的に見て、問題の根本を探り出す姿勢が、地方の現状をよく知る地元記者ならではの視点なのだと感じた。
    話は全く変わるが先日、映画『災 劇場版』を観てきた。やっぱり香川照之。前作『宮松と山下』同様に独壇場だ。中村アン、竹原ピストル、松田龍平、内田慈、安達祐実など他のキャストも光る。ただ、万人に薦められる映画ではないので注意されたし。
    “災い”は至る所に何気ない顔で突然やって来て、跡形もなく消え去る。まるで過疎ビジネスのように。