さわや書店 おすすめ本

本当は、目的がなくても定期的に店内をぶらぶらし、
興味のある本もない本も均等に眺めながら歩く事を一番お勧めします。
お客様が本を通して、大切な一瞬に出会えますように。

  • no.329
    2019/5/17UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    夜の淵をひと廻り 真藤順丈/角川文庫

    善と悪、光と影は表裏一体だなと改めて思う。それぞれが独立して存在することはありえない。光が強ければ強いほどに漆黒の闇を創り、闇が深ければ深いほどに小さな光が燦然と輝きを増す。直木賞受賞で話題の著者によるダーク・ファンタジック・サイコ・ミステリー。
    悪党に心をかき乱されるのも、いい話に心を打たれるのと同じぐらい重要な視点だ。映画でも強烈な悪役がどこか妙に後々まで心に引っかかることがある。例えば『セブン』のジョン・ドゥ、『羊たちの沈黙』のレクター博士、『ノーカントリー』のシガー、『ダークナイト』のジョーカーのように。そういえば今年10月4日に映画『ジョーカー』が日米同時公開されるとの事。こちらも楽しみである。

  • no.328
    2019/5/13UP

    フェザン店・竹内おすすめ!

    もののふの国 天野純希/中央公論新社

    歴史小説大大大好きなんですが、そんな私が大満足の贅沢な一品。歴史絵巻をめくりまくるような俯瞰感にしびれ、たたみかけるようなクライマックスなシーンの連続に肩のちからを抜くすきもなく、大作を10冊は読んだかのようないい意味での爽やかな疲労感。いやあすごかった。

  • no.327
    2019/5/11UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    午前十時の映画祭10FINALプログラム キネマ旬報ムック/キネマ旬報社

    ついにFINALを迎えた「午前十時の映画祭」。悩める時も苦しい時も、さわや書店本店より徒歩1分の中劇へ足を運び、古いのに新鮮な感動を覚える名画に触れることで頭を切り替えることができる、自分にとっての貴重な時間であった。
    あと何回行けるかわからないが今年も何本かは必ず観る。『ゴッドファーザー』『ブルース・ブラザース』『ニュー・シネマ・パラダイス』『テルマ&ルイーズ』『レオン』『ショーシャンクの空に』など。そしてラストの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はいつ観ても楽しい。詳しくは過去の映画祭全作品リストも載っている本プログラムを参照。
    「午前十時の映画祭」が終了するのは非常に惜しいが、始まりがあれば必ず終わりがあるのでしょうがない。また終わる事で始まる何かも生まれてくるかもしれない。どういう形であれ新たな再会を期待したい。
    そして中劇。いつもお世話になってます。座席指定じゃなく場所の空気を吸ってから、その時の気分で好きなところに座るレトロ感が映画祭とマッチして、いい。

  • no.326
    2019/5/3UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    ままならないから私とあなた 朝井リョウ/文春文庫

    「想像力は知識より重要である」―アインシュタイン―
    天才物理学者の言葉は時空を超えて、現代においてもなお至言だと感じる。
    本書2篇の物語はそのどちらも、現代感覚の研ぎ澄まされた合理性と、それにあてはまらないものとの対比で構成されている。そのどちらか一方が正しくてどちらかが誤りであるということではない。それらはどちらも手段であり、それ自体が目的ではないはずだからである。人間にとっての新たな価値を生み出すものとは、コンピューターの中にある膨大な知識の量にあるのではなく、それを使う人間の想像力の中にこそあるのだと思う。
    人間関係においても、想像力なくして他者を理解することは難しい。この2篇の物語はそんな他者を意識させるちょっとビターな、青春の終わりを告げる物語である。

  • no.325
    2019/4/29UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 ヤニス・バルファキス/ダイヤモンド社

    経済という、極めて人間的な魔物について、平易な言葉でわかりやすく語られている。専門用語などを使わず子どもにもわかるように説明するのは、逆にその本質を深く理解していなければできることではないと思う。
    本書では映画『ブレードランナー』や『マトリックス』の例が多く出てきて、その考察がおもしろい。個人的には読んでいる間中、『コズモポリス』を思い出していた。単に娯楽でありフィクションであるはずの本や映画の中には、時として現実のかなり深い部分を表現しているものがある。

  • no.324
    2019/4/22UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    ロベルトからの手紙 内田洋子/文春文庫

    さっぱりとして美しい文章の中に、場所と時間の蓄積を感じる。
    遠い異国に想いを馳せながら、足元に真実を見る。
    まさに上質。大人向けの味わい深いエッセイだ。

  • no.323
    2019/4/13UP

    フェザン店・竹内おすすめ!

    赤ちゃんのいる暮らし 新版 毛利子来/ちくま文庫

    はじめての赤ちゃんを育てるときに、この本に出会えて本当に良かった。
    てんぱったりイライラしたときに毛利先生の言葉が癒しになり心が落ち着きました。
    赤ちゃんが産まれた、産む予定の人への贈り物にも最適です!

  • no.322
    2019/4/12UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    外道クライマー 宮城公博/集英社文庫

    最大級の賛辞と羨望と畏怖と敬意を込めて言う。なんて気持ちのいい山バカなんだろう。そのバカっぷりが振り切れている。これは外道ではなく正道原理主義だ。
    本書を読むと山をやっていたなんて軽々に言えるものではないが、少しでも経験のある者なら、なんとなく本書の言わんとするところはわかると思う。
    それにしても、著者と一緒にジャングルを彷徨う高柳という人物。これだけけちょんけちょんに書くことができるのは、逆に余程の信頼関係がなければなかなかできるものではないと思う。高柳氏側の反論も聞いてみたい。
    沢登りを専門にやる人のことを沢ヤという。うちの店名も沢ヤ書店の方がシブいな。

  • no.321
    2019/4/4UP

    フェザン店・竹内おすすめ!

    ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。 幡野広志/PHP研究所

    2歳の息子を残して死ぬ運命ってだけでもう耐えられない

    35歳で余命宣告を受けた著者が2歳の息子に残したい教えを書いた本。
    子どもはまだ理解できないだろうけど、「死」自体もわからないだろうけど、何かを残したいという思いに鼻腔を濡らさずにはいられない。

  • no.320
    2019/4/4UP

    本店・佐藤おすすめ!

    Life ライフ 作 くすのきしげのり 絵 松本春野/瑞雲社

    心に花が咲くような物語

    町外れにある小さな店、life。でも誰かが働いているわけでも、何かを売っているわけでもありません。
    お客は、気に入ったものを持ち帰るかわりに、自分には必要なくなったものを置いていくのです。
    訪れる人それぞれの人生が少しずつ交わり生まれる、喜びの物語です。