さわや書店 おすすめ本

  • no.70
    2016/9/27UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    心は実験できるか20世紀心理学実験物語 ローレン・スレイター/紀伊国屋書店

    本書は副題の通り、20世紀に行われた様々な心理学の実験の中からいくつかを取り上げ、それらについて実験の意義、与えた影響、積み残した課題などについて描いていく作品だ。
    この10の心理学実験を通して著者は、「心理学」という学問がいかに歪であるかを、そして科学という学問の中でいかに「心理学」が奇形児として生まれたのかを示すことになる。
    『科学を、問題を体系的に追究して普遍的な法則に相当するものを生み出すものと定義するならば、心理学はその条件を満たすことに失敗し続けてきた。』
    一般向けの心理学の本を読みかじったことがある人なら知っている実験もいくつか出てくることだろう。それらの実験について掘り下げることで、人間の複雑さ、そして心理学の奥深さを知ることが出来るようになる。