さわや書店 おすすめ本

  • no.629
    2025/7/8UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    人間をみつめて 神谷美恵子/河出文庫

    「さわや夏文庫フェス2025」の中の一冊。
    これは薄い本だし誰にでも分かる言葉で書いてあるのですぐに読み終えることができるが、敢えてゆっくり、じっくり、何度でも読み返すのに値する本だと思う。生物とは、人間とは、いのちとは何か。当たり前のように暮らしている毎日の中で、時折立ち止まりふと考えてみる必要のあることだけが書いてある。夕暮れ時、美しいものを美しいと感じる意識。その存在そのものが既に奇跡である。
    マルクス・アウレリウス「自省録」(岩波文庫)、ミシェル・フーコー「臨床医学の誕生」(みすず書房)、ヴァージニア・ウルフ「ある作家の日記」(みすず書房)その他翻訳。精神科医。