さわや書店 おすすめ本
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no.6082024/12/30UP
本店・総務部Aおすすめ!
小説 野崎まど/講談社
小説の良さを小説という形の中で表現した小説。話は宇宙の起源、生命の起源にまで及ぶ。小説を説明するために随分と大きく出たなとは思ったが最後うまくまとまる。現実は変わらないのに、フィクションを読んで自分の内面に取り入れる事に価値はあるものなのか。本書を読んで少し考えてみてほしい。本好きに誇りと勇気を与えてくれる1冊。
これは本だけに限った事ではなく、映画でも音楽でも絵画でも名作と呼ばれるものの中には生きる意味を問うような深遠なものも多く存在する。ただそれらの中でも、やはり本というものが最も根源的な媒体なのだろう。最新情報だけでなく、一見意味がないように思える小説で内面の深みを増すことは、想像以上に価値のある事なのだと改めて認識する。
読後、芥川龍之介を読んでみようかなという気がした。それと、なぜか『2001年宇宙の旅』を観たくなった。それもアーサー・C・クラークの原作小説の方が分かりやすいのに、わけの分からない映画の方をなぜだか無性に観たくなってしまった。