さわや書店 おすすめ本

  • no.592
    2024/5/23UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    まんがパレスチナ問題 山井教雄/講談社現代新書

    連日のイスラエルとパレスチナの報道を目にする度に、なぜそこまでという悲痛な思いがする。報復の応酬による負の連鎖、宗教対立、周辺国や大国の思惑、さらには紛争に伴うビジネスなど利害が複雑に絡み合い、もはや善悪の境目もよく分からないカオスと化している。
    本書と「続 まんがパレスチナ問題」は、問題の根源から近現代に至るまでの流れが分かりやすくまとめられている。今までこじれにこじれた、なんと永くて深い哀しみの歴史なのかと思う。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地でありながら今なお続く世界紛争の中心地という皮肉。人類の大いなる二面性を感じると共に、今の日本の平和は微妙なバランスの上にあり、決して当たり前の事ではないのだと改めて感じさせる。