さわや書店 おすすめ本
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no.5772024/1/15UP
本店・総務部Aおすすめ!
哀れなるものたち アラスター・グレイ/ハヤカワepi文庫
1月26日公開の映画原作本。映画はベネチア国際映画祭金獅子賞、ゴールデングローブ賞最優秀作品賞・最優秀主演女優賞を受賞している。普通は映画を観てから原作を読む派だが、待ち切れず先に読んでみた。
同じ内容が見方を変えて多層的に展開されるので一筋縄ではいかない。映画がR18指定になっている通り、原作を読むとそういうシーンもあるのはわかるが、主題はもちろん別のところにある。人類の構造的な問題や視点による相違など、物語という表現を通じて人間の陰影を最大限に表しつつ、全ては壮大なブリティッシュジョークのようにも見える。ある意味人間は皆、哀れなるものたちと言えるのかもしれない。
映画では原作のどこをメインに切り取るかによって印象がかなり違ってくると思う。決して万人受けするものではない。映画を観て少しでも興味を持った方はぜひ、原作が全体として何を伝えているのかをじっくり読んでみてはいかがか。