さわや書店 おすすめ本

  • no.35
    2016/7/27UP

    フェザン店・長江おすすめ!

    ハチはなぜ
    大量死したのか ローワン・ジェイコブセン/文春文庫

    世界的に農業が危機的状況に陥っている、という事実を、あなたは知っているだろうか?
    2007年の春までに、北半球から四分の一のミツバチが消えた。この現象は「蜂群崩壊症候群(CCD)」と名付けられ、世界的な問題として認識されている。
    何故か?
    ミツバチが存在しないと、果物を始めとする昆虫に受粉を手伝ってもらう植物のほとんどが受粉出来なくなってしまうからだ。ミツバチほど植物の受粉を精力的に行う昆虫はおらず、ミツバチの減少は農業に直結する大問題だ。
    このCCD、未だに原因もはっきりとは究明されておらず、対策もままならないと言う。
    本書は、どのようにCCDが認識され、原因追究がどのように行われ、どんな対策が行われようとしているのかなど、本書発行時点でのCCDを取り巻く状況が描かれる。今後世界的に人口が増え、食糧難が顕在化すると言われている中、このCCDは、知らないでは済まされない問題だ。