さわや書店 おすすめ本

  • no.32
    2016/7/27UP

    本店・総務部Aおすすめ!

    教養としてのプロレス プチ鹿島/双葉文庫

    プロレスの魅力に関して、普通は言葉にするのが野暮だったり難しかったりする部分を、様々な事例を交えながらこれでもかと伝えてくる本書。面白いのはプロレスファンの視点から現代の風潮や社会問題までをも語っている点だ。プロレスへの熱い想いが溢れすぎ、こじつけのような所もそれはそれで楽しく読むことができるし、たまに普遍的な物事の本質や核心を突いていてハッとさせられる。翻って、私達の本屋ももっとプロレス的であるべきだなどと思ってしまった。書店は優等生みたいにこぎれいな顔をしているが本来はもっと懐が深く、清濁併せ呑むような怪しげな魅力のある場所のはずではなかったか。本書に当てられ、若干プロレス者寄りの思考になっているのが危険でもある。