さわや書店 おすすめ本
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no.5612023/8/24UP
本店・総務部Aおすすめ!
スター 朝井リョウ/朝日文庫
何かを創作したり表現したりする職業の、避けられない葛藤がリアルさをもって伝わってくる。映画と動画制作がメインのストーリーになっているが、本書にも少し出てくる料理人の世界や、テレビ、俳優、音楽、文芸、美術、建築、工芸、美容、デザイン…その他あらゆる職業でも同じことがあると思う。
大学時代に映画サークルのトップ2だった二人のその後、それぞれ別の世界で映像と関わりもがきながら、自分なりに確かなものを掴むまでの成長物語。善かれ悪しかれ今の世界との向き合い方を突き詰めていくと、最終的には自分との向き合い方になってくる。本書に出てくるクリエイター達の話や技術は今を象徴したものも多いが、媒体は変われども発信する側も受け取る側も人の心は大昔からそう変わらない。結局は作品で全てを物語るのがプロの仕事というものなのだろう。古いのも新しいのも、また無性に映画が観たくなった。