さわや書店 おすすめ本
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no.282016/7/20UP
フェザン店・長江おすすめ!
ドアの向こうのカルト
9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録 佐藤典雅/河出書房新社著者は現在、「東京ガールズコレクション」を仕掛けるなど、その方面では著名なプロデューサーのようだ。しかし、タイトルにもあるように彼は、9歳から35歳まで「エホバの証人」の信者として生きてきた。
本書は、彼が何故「エホバの証人」を信じるようになり、そして何故「エホバの証人」から抜け出すに至ったのか、その過程を描いた作品だ。
「エホバの証人」の話、と言われると、ちょっと特殊な経験だと思ってしまうだろう。しかし本書には、こんな文章が出てくる。
『洗脳に関して言うと、私のカルト体験談は確かに特殊で極端な環境だった。しかし程度の差こそあれど、広い意味での洗脳は社会のあらゆる所で見られる』
テレビやインターネットや口コミ。こういったものを無条件に信じることも、ある意味では「洗脳」と言える。そういう「洗脳」からいかに外れたところで生きていけるか。本書はそういう示唆も与えてくれる一冊だ。