さわや書店 おすすめ本
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no.5232022/9/24UP
本店・総務部Aおすすめ!
もののあはれ ケン・リュウ/ハヤカワ文庫SF
SFとは哲学なんだと思う。
シチュエーションを限定することで、形而上学的な問いがより純度の高い核心のみにフォーカスされる。普段このジャンルを読まない人にこそおすすめしたい。本書は文学的で、詩的で、哲学的な、そして紛れもないSF小説だ。
短篇集なので読みやすく、最初の表題作はこのタイトルからもわかる通り、日本人を主人公に描かれている。死生観が問われる。まず、本書の冒頭30数ページに凝縮された物語をどう思うか、自分の目で判断してみてほしい。
SFを通じて哲学的に人間を描く物語は映画にも傑作が多い。『インターステラー』『メッセージ』『ガタカ』『ブレードランナー』『ミッション:8ミニッツ』『2001年宇宙の旅』など。SF要素は舞台装置で、主題としてはすべて、人間とはいかなるものかが描かれている。